遅ればせながら新型コロナウイルス感染症に関する見解

世間では連日のように新型コロナウイルス感染症の恐怖が煽り立てられていますね。

中国での死亡者が900人に達した、SARSを上回るなど言われています。
しかし、冷静になりましょう。

まず、皆様も報道でご存じのようにコロナウイルスは現在7種類が知られており、内4種類は通常の風邪ウイルスです。残り3種類の内2種類がSARS/MERSウイルスとなり、今回の新型コロナウイルス(2019-nCoV)が7種類目となります。

なぜ騒がれているかと言いますと、①新型であること②世界伝播が急速であること③中国での死者数が多いことと考えられます。

2020/2/9全世界での感染者数が4万人超、その内世界での死者数が904人という数字を見る限り、死亡率は2%となります。これはインフルエンザの死亡率0.1%と比較すると高く見えますが、ここにはカラクリがあると考えています。

①中国を除く世界的死亡率は高くなく(0.4%程度)、武漢での死亡率が異常に高く、全体の死亡率を底上げしていること。

②インフルエンザと異なり有症状患者/高リスク群のみを検査しており、無症状患者全体のスクリーニングを行っているわけではないこと。(つまり出ている感染者数はほんの氷山の一角であり恐らくインフルエンザのような当たり前の病気として調べるともっと陽性患者は多い。現在のダイアモンドクルーズで連日無症状患者の陽性数が増えていることから容易に想像がつくと思います。)

だけれど、怖いものは怖いですよね。

そこで調べた限りで少し注意点を挙げていきたいと思います。

Clinical Characteristics of Patients With 2019 Novel Coronavirus (2019-nCoV)–Infected Pneumonia in Wuhan, China
This single-center case series describes the demographics, symptoms, laboratory and imaging findings, treatment, and clinical course of 138 patients hospitalize...

を基にお話しをしますと最も感染者数の多い中国での特徴は

①感染患者:医療者40人 (29%)、入院患者17人(12.3%)

②高齢者(平均66歳)が集中治療室に入室

③基礎疾患を有する患者が重症化するリスクが高い(高血圧・心血管系の病気・糖尿病・脳血管疾患)

となります。

これ、インフルエンザの重症化リスクとほとんど変わりません。
まとめると
●世界急速伝播しているので騒いでいるが、中国を除いた世界的死亡率は全然高くない。
●重症化リスクはインフルエンザと全く変わらない。
つまり、現時点においてはインフルエンザの予防と同じように対応して構わないということです。

中国での死者数が多いのは、隔離された空間に多数患者が集中しすぎて医療が回っていないのが原因とされています。もちろんウイルスの変異により高病原性獲得がある可能性はありますが現時点では報告されていません。

予防の話で言いますと、マスク買い占め問題が発生していますが、これ風邪・咳症状の無い一般人が付けてもほとんど意味がないとの見解があります。なぜなら、ウイルスはサイズ的にマスクなんか容易に通過するからです。

ではどのような方がマスクをつけるべきかと言いますと
●症状が有って咳が出ている人(ウイルス一杯の唾液の飛散を抑えるため)。要するに他人にうつさないようにするため。
●医療従事者(あまりにも有症状患者様と接する機会が多すぎるため)

となります。ちなみに医療従事者の中で特に新型コロナウイルスを集中的に見る方は普通のマスクではなくN95マスクというものを装着しますが、これ1・2時間も付けていると呼吸もしんどいし密着度がすごいので顔が痛くなります。一般の方が平時付けるにはデメリットの方が多いと思います。

≪本日のまとめ≫
●そもそも『新型だ~!』と騒がなくて良いと思います。
●普通の風邪と同様、しっかり手洗い(うがいももちろん可)していれば良いです。
●マスクはかなりの密集地帯に行かない限り(具体的には咳をしている人の唾液が飛ぶ2m程度まで近づかない限り)そこまで買い占めないで下さい。健常な人が買い占めるくらいなら、先ほど挙げたリスクがある人でかつ密集地帯に行く頻度が高い人のために残してあげてください。
●P.S.:この状況で苦しんでいる感染者様やクルーズ船乗客の収容施設として頑張ってくれているホテル、その他関係者を誹謗中傷するような非理性的言動はやめましょう。

ということです。

また何か大きな変化があれば掲載致します。

【追記】

2020年2月11日、日本救急医学会を中心に日本感染症学会,日本環境感染学会,日本臨床救急医学会,日本臨床微生物学会の5学会連携で医療従事者に対する提言が提唱されましたので、添付します。

前述の通り、インフルエンザに準ずる対応で良いとされています。

新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染症への対応について (2020年2月9日版)は移転しました

【追記2】

ほぼ同じ意見+αをまとめて下さっているFBがありましたのでシェアします。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床像について、おおむね分かってきました。敵を知ることで、戦い方も見えてきます。そのための封じ込め(時間稼ぎ)でしたから、まずは発生初期における目的に至ったと言えます。次は流行の立ち上がりに向け…

高山義浩さんの投稿 2020年2月15日土曜日

【追記3(2020/3/15)】

兵庫県においてもSARS-CoV-2感染者数(COVID-19)の増加が報告されています。

近々の報告や指定医療機関の関係者達と話していて受けた印象(あくまで印象です)を挙げます。

●感染者全体の死亡率をインフルエンザと比較すると何とも言えない。

●高リスク群(高齢者/基礎疾患患者)の患者様への感染時は重症化率が明らかに高い印象がある。

●感染力=基本再産生数(R0)は良くてインフルエンザ程度。2020年3月5日時点で韓国でしらみつぶしにPCRを行っていても陽性率が5%程度でとどまっており(検査数14万775人・陽性数5776人)、PCR感度が60%程度にとどまることを加味しても麻疹(R0=15~20)や風疹/ムンプス(R0=5~7)程の強い感染力ではなさそう。

 

高リスク群に関しては、当初の甘い死亡率予測ではなさそうです。しかし、やれる予防には変わりないと考えます。

●普通の風邪と同様、しっかり手洗い(うがいももちろん可)してください。
●マスクはかなりの密集地帯に行かない限り(具体的には咳をしている人の唾液が飛ぶ2m程度まで近づかない限り)必須ではないです。健常な人が買い占めるくらいなら、先ほど挙げたリスクがある人でかつ密集地帯に行く頻度が高い人や、自宅待機を余儀なくされているコロナ感染疑い患者様ご家族のために残してあげてください。

3月12日大阪府が、入院フォローアップセンターを置き指定医療機関で重症を診、その他医療機関や使用していない施設等を利用してDMAT等医療従事者の協力を仰ぎながら中等症/軽症を診ていく方針を打ち出しました。

兵庫県においても、先日からの感染者数増加に伴い指定医療機関の病床を圧迫しつつあるとの情報を得ています。また、兵庫県のみならず全国的に一部指定外医療機関においては患者様からの受診問い合わせに対して、『当院では診断出来ませんので来院されないように。』指示を出している状況でもあります。

当院開院時点で感染終息に至っていない場合、大阪府の方針に類似する対応が兵庫県に導入されている可能性があります。また、状況に依っては多数の医療機関が外来休診などの被害を恐れ受入拒否する事態となっている可能性があります。医療機関側の気持ちも良く分かりますが、不安を持つ患者様の立場に立ちますと何とかお役に立ちたいところです。その場合、当院では積極的に診察受入を行いたいと考えておりますが、同時に院内感染制御が課題となります。

当院での診察においては可能な限り適切なゾーニングを行う必要性上、【発熱/咳患者様は駐車場内待機の上、非感染者様との分離を図る方法等】を検討していきたいと思います。まだ未定も未定ではありますが・・・